ハンドボールが上手くなるための練習法とは?

ハンドボールが上達するためにどんな練習をするべき?

ハンドボールの練習イメージ

北欧で始まった室内競技のハンドボールは、オリンピック競技にもなっており、全国に愛好家がいます。日本でも中学生ぐらいから部活動で始まるところが多く、高校や大学レベルの全国大会もあります。

そんなハンドボールが上達するための練習は「基礎的な練習」「ハンドボールの技量を高める練習」「チーム力を高める練習」の3つに分かれます。

勝つチームに育てていくためには、習熟度やチームとしての方向性を考えたうえでの練習メニューの作成がポイントになります。

どのような練習をしていけばよいのか、見ていきましょう。

基礎的なメニューで身体を作る

怪我をしない強い身体づくり

柔軟体操イメージ

ハンドボールに限らず、すべてのスポーツに共通して言えることに基礎トレーニングの重要性があります。

どんなに難しい練習をしたとしても、習得をするためには基本的な身体能力が伴っていなくては身につきませんし、最悪の場合、怪我につながることもあります。

ハンドボールでも基本的な身体を作る運動はとても大切です。

ハンドボールの場合、「投げる・跳ぶ・走る」が基本動作になります。この3つの基礎能力を伸ばすためにも、毎回の練習の際に基本運動を繰り返してトレーニングすることが大切になります。

また、怪我を予防する観点からも柔軟性はしっかりと身に付けておきたいものです。ハンドボールでは捻挫や肉離れといった下半身の怪我から、突き指、肘や肩の故障といった上半身の怪我まで、いろいろなことが起こります。

基礎練習や柔軟は単調なものが多く、毎日繰り返し練習をしなければいけないので苦痛に感じるかもしれませんが、運動に耐えることができ、怪我をしないためのしっかりとした身体作りをまずしましょう。

ポジション関係なく必要な能力

ハンドボールイメージ

ハンドボールには複数のポジションがあり、それぞれのポジションにあった練習があります。

一方で、すべてのポジションにおいて共通して身に付けておかなければいけない能力もあります。

代表がパス練習です。ハンドボールにはさまざまなパス(オーバーハンドパスやバウンドパスなど)があり、状況に合わせて選択をしなければいけません。

特にハンドボール独特のパスであるラテラルパスバックパスは、いきなり初心者が正確に投げることができることは稀で、コントロールよく投げることができるようにするためには何度も練習する必要があります。

右利きの人であれば左右の手を使うことができると、それだけ攻撃の選択肢を増やすことができます。

パス練習をしっかりとする理由には、もうひとつ、怪我の予防もあります。

ハンドボールは重たく、いきなりオーバーハンドパスやシュート練習をすると、肘や肩に負担がかかります。

短い距離から少しずつ距離を伸ばしていくことでパスの習得ができるだけでなく、怪我の防止にもつなげることができます。

他にもドリブルやジャンプシュートなど、初心者が身に付けなければいけない基礎能力はたくさんあります。


ハンドボールのシュートイメージ
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ハンドボールの投げ方

ハンドボールキャッチ

ポジションごとに必要な能力

7人でプレイするハンドボールでは、すべての人が同じ能力が必要というわけではなく、ポジションごとに必要な能力が変わってきます。

サイドの選手であればサイドシュート、ポストプレイヤーであれば素早いモーションで打てるシュート、センターや45の場合には遠くからでも打ち抜ける強いシュートです。

基礎練習で基本的な能力が身についたあとは、ポジションごとに合わせた能力を身に付ける必要があります。

指導者であれば、基礎練習で個人の特性を見抜きながら、個性を生かすことができるポジションの割り振りが大切になります。


ハンドボールCBの練習メニューイメージ
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ポジションによっては、身に付ければ相当な武器となる技術もあります。

チーム力を高める練習

チームワークイメージ

ハンドボールは7人のメンバーだけでなく、自由な交代枠を利用して登録されているメンバー全員で戦うチームスポーツです。

フォーメーションプレイやセットプレイが多く、個々の能力だけではある程度のところまで勝つことはできたとしても、優勝レベルを目指すことはできません。高みを目指そうと思うと、チーム力を高める必要があります。

そのために必要な練習が、チーム練習です。個々の能力を生かすことができる戦術を覚えなければいけません。

また、キーパーを除く6人全員が守備も攻撃も行うのがこのスポーツの特徴です。

覚えることがたくさんありますが、反復練習を繰り返して状況に応じて何を使っていくのか、全員が理解しなければなりません。

ハンドボールのチーム練習イメージ
ハンドボールのチーム戦術とその練習方法

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発達段階に応じた練習

身体の発達に応じた練習

ハンドボールのトレーニングイメージ

すべてのスポーツに共通して言うことができることに「発達段階に応じた練習」があります。

初心者と上級者では練習メニューが異なってきますが、もう1つ成長の度合いに応じても練習メニューを変えなければいけません。

たとえば、中学生と社会人が同じ練習をすると、ある程度の練習は行うことができるかもしれません。しかし負荷の大きい練習を繰り返していけば、身体の発展途上にある中学生には大きな負担となり、最悪、怪我をしてしまうことになります。

ハンドボールの指導者は、個別のレベルに合わせた練習メニューを作成することがポイントになります。


高校生イメージ
ハンドボールが上手くなる高校生の練習メニュー

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日常生活でのトレーニング

ランニングイメージ
ハンドボールの練習は、練習する時間しかトレーニングをすることができないわけではありません。日常生活の中で、または他のスポーツを通してでもトレーニングをしていくことができます。

代表的なものがランニングで、ハンドボールは前後半合わせて、社会人だと1時間(30分ハーフ)を走らなければいけません。これを実際に走る距離に照らし合わせると10km以上を走ることになります。

それだけを走ることができる持久力をつけるためには、毎日心肺機能を高めるトレーニングをすると効果的です。

柔軟性を高めるトレーニングも毎日行うと効果が高まるので、こうした練習は自宅など空いている時間を見つけてやっていくとよいでしょう。

1人でのトレーニングイメージ
1人でできるハンドボールのトレーニング

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試合を見て理解する

ハンドボールの試合イメージ

練習とは少し離れるかもしれませんが、実際のハンドボールの試合を見るのもとても勉強になります。

テレビでハンドボールが放映をされることは少ないですが、最近ではインターネットを利用すると簡単に動画を見つけることができます。

インターネットの動画上には、ヨーロッパのプロリーグでプレイする選手の映像からフォーメーションの解説動画、個人の能力を高めるためのトレーニング方法などさまざまな情報が掲載されています。こうしたものを見て学ぶのも練習です。

可能であるならば、実際の試合を見に行くのもよいです。社会人や大学生のリーグがいろいろな都市で行われており、観戦することができます。

試合の迫力も素晴らしいですが、ハンドボールをしている人であれば、試合前の練習から見ておくのをおすすめします。

トップリーグの選手がどのような練習をしているのか、試合前に効果のあるアップはどんなものがあるのかは、テレビでは見ることができません。こうしたものを見るだけでも知識を広げることができます。

反復練習を繰り返す

ハンドボールのトレーニングイメージ

どのスポーツでも共通することですが、上達するには反復練習をすることです。特に基本の動作は重要で、基本をしっかりと身に付けることによって応用につなげることができます。

ハンドボールを始めたばかりの頃は、素晴らしいプレイを見ると憧れて真似をしたくなります。しかし、いきなり難しいプレイばかりしていると変な癖がついてしまい、それが元で伸び悩んでしまう選手もたくさんいます。

ジャンプシュートやドリブル、パスの3つは特に重要な動作であり、反復練習をしっかりとして正しいフォームを身に付けることで、発展的な技術を身に付けることができるのです。


ハンドボールのパスイメージ
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きついハンドボールの練習を楽しくする

つらいハンドボールの練習を楽しむイメージ

誰にとっても、練習はきついものです。それは素晴らしいプレーを魅せるプロだって同じこと。

きついハンドボールの練習が楽しくなるように工夫することは、監督やコーチにとって必須条件とも言えるでしょう。

ハンドボールの練習を楽しむためのヒントをまとめてみました。

つらいハンドボールの練習を楽しむイメージ
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ハンドボールの練習に適したウェアとは

トレーニングウェアイメージ

ハンドボールはバスケットボールやサッカーと似たスポーツですので、それらのスポーツウェアを代用しても問題ありません。しかしながら、練習に適したウェアがあり、様々なメーカーから様々な練習着が販売されています。

代表的なメーカーをまとめてみました。

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ハンドボールの練習に適したシューズとは

ハンドボールシューズイメージ

ハンドボールシューズには室内用と室外用があり、それぞれの専用シューズが販売されています。

大事な脚を守る専用シューズは、他のスポーツのシューズと何が違うのか、おすすめのシューズは何なのか、まとめてみました。


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アシックスのハンドボールシューズ2020 | 特徴とおすすめをご紹介

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ハンドボールノートを書いて上達に役立てる

ハンドボールノートの書き方イメージ

ハンドボールには、専用の「ハンドボールノート」というものがあります。

練習や試合であったことなどを書き留めておけば、プレイヤーとしても留意点などが分かりますし、指導者としても個人の成長具合を知ることができます。

ハンドボールノートの書き方、活用の仕方をまとめてみました。

ハンドボールノートの書き方イメージ
ハンドボールノートの書き方 | ノートの出来がプレイを変え、チームを強くする

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